日々のくらし
食卓を彩る食器
出土したかわらけ
かわらけは素焼きの皿で、騎西城で最も多く出土しています。
儀式や宴会のとき、盃に使われました。
一度使うと二度と使用しないのが原則です。また、灯明皿(油を入れて明かりをつける皿)に使われたものもあります。
膳の復元
右は当時の食膳を再現したものです。
飯椀(手前左)は中国で焼かれたもので、汁碗(手前右)は漆塗りの椀、鉢(右)は瀬戸美濃(愛知県・岐阜県)で焼かれたもの、徳利は備前(岡山県)で焼かれたもの、盃は中国で焼かれたものです。
刀装具と鎧の部品
調理をする道具のうち、煮炊<にた>きをするものには、土鍋<どなべ>やほうろくがあります。
また、 擂<す>る・潰<つぶ>すものには擂鉢<すりばち>や石臼<いしうす>があります。
ほうろく
出土した食べもの
炭化した米(右)とアワ(左)
当時の主食であった米とアワです。
炭化したため、腐らずに残りました。
さまざまな種
植物の種では、モモ・クリ・カキ・ウメ・ウリ・ヒョウタン・ソバなどが見つかっています。
出土したあわびの殻
あわびが内陸部の城で見つかることは非常に珍しく、食用にしたと思われますが、殻を利用したとも考えられます。
しかし、熨斗あわびを江戸から運んだことを書いた荷札がみつかっているので、あわびを食べていたのは事実です。
化粧<けしょう>と装<よそお>い
鏡
懐鏡と思われる鏡で、直径6.8㎝の双鶴鏡<そうかくきょう>です。表面は平らに磨かれた鏡面です。
裏面の中央に亀がいて、二羽の鶴が亀とくちばしを付けています。
鶴亀の外側には千鳥と思われる6羽の鳥がいて、その外側には亀甲文があります。
櫛
髪の手入れに使われた道具には、櫛・はさみ・毛抜きなどがあります。
右の櫛は両方とも漆が塗られていました。
下駄
下駄は台のみ残っていました。
下駄<げた>には、台<だい>と歯<は>を一本の木で作った連歯<れんし>下駄と、台に歯を差し込む差歯<さしば>下駄(左下)があります。
それぞれ鼻緒の穴が3ヶ所あります。
遊びの道具
羽子板
羽子板には魔除け・厄払<やくばら>いの意味があり、文様が描かれたものがありますが、この羽子板には文様はありません。
将棋の駒(金将)
高さ3.7㎝の将棋の駒で「金将」の文字がかすかに読めます。