7 スズメとツバメ
2月15日はお釈迦様が亡くなった日です。村中の人たちがお寺にお参りに行きます。お寺ではお経をとなえたり、お釈迦様の死を描いた大きな掛け軸を下げます。
この話は、そんな、お釈迦様の亡くなるときの昔話です。
お釈迦様の死が近いとの知らせを聞き、多くの弟子や動物たちが、お釈迦様のもとに集まりました。中でもスズメは、その知らせを聞くと、着の身、着のままでいち早く駆け付けました。
お釈迦様は
沙羅双樹という木の下で横たわっていましたが、スズメを見つけると、近くに呼び寄せました。
「私が
亡くなるという知らせに、すぐさま駆けつけるとはよい心がけだ。これからお前は米・麦を餌とするがよいであろう」
お釈迦様はそう言って、スズメをほめました。
一方、同じく知らせをうけたツバメは、あれやこれやとめかし込み、白の
羽二重に黒の紋付きという、お祝いで着る姿でやって来ました。
お釈迦様は、遅れて来たツバメを見付けると、近くに呼び寄せました。
「お前は私が亡くなるというのに、そんなに
着飾って来るとは何事だ!これからは、虫を餌としなさい!そして、世の中のために働きなさい」
お釈迦様はそう言って、ツバメをしかりました。
それからというもの、スズメは
地味
な姿ですが米、麦を食べることになり、ツバメは白と黒の姿で虫を食べて一生を暮らすことになったということです。